緊急度:中★★★☆☆
デジタル遅延の象徴的課題となっている。
進捗度:40% ![]()
政策はあるが、現場の慣習と文化が根強く残る。
2020年代に入ってもなお、日本の多くの官公庁・医療機関・企業ではFAX(ファクシミリ)が日常的に使用されているという実態が、国内外から驚きを持って報じられています。これは単なる技術的な遅れではなく、日本特有の制度・文化・セキュリティ観の問題が複合的に絡んでいます。
なぜいまだにFAXが使われているのか?
1. 行政・医療現場の「紙文化」
- 官公庁や医療機関では「紙ベースでのやりとり」が基本とされており、デジタル化よりも文書管理の慣習が優先されている。
- 医師や看護師間の緊急連絡・診療情報共有などもFAXが一般的。
2. 「印鑑」とのセット文化
- 押印文化とFAXは相性が良く、「署名・捺印済み書類をすぐ送る手段」として重宝されてきた。
3. セキュリティ上の誤解
- 「FAXはインターネットに接続されていないから安全」とする見解が一部で根強く、逆にメールやクラウドを不安視する風潮がある。
- しかし、誤送信や情報漏洩のリスクはFAXにも存在し、利便性に比べて時代遅れの技術である。
4. 高齢層のITリテラシーと抵抗感
- 中小企業・地方自治体・医療関係者などで、パソコンやクラウド利用への心理的抵抗がFAX温存を招いている。
政府の対応と実情
- 2021年、河野太郎デジタル改革担当大臣(当時)が「FAX廃止」を表明したが、省庁内部や自治体からの強い抵抗で全面撤廃には至らず。
- デジタル庁設置後も、一部業務でFAX使用継続が容認されている。
- 一部自治体や医療機関では電子カルテ・電子申請システムが進むも、相互接続性の欠如がFAX回帰を生んでいるケースも。
海外との比較
- **欧米諸国(アメリカ・ドイツ・イギリスなど)**では、2000年代にほぼFAXを廃止。メール・クラウド・共有ドライブへ全面移行。
- 医療情報も電子カルテ共有や専用セキュア回線でのやりとりが主流。
- 日本ほど制度と文化に縛られたFAX依存は国際的にも稀。
今後の課題と提言
- 紙・印鑑文化と一体となった“業務フローの再設計”が必要
- クラウド活用・セキュア通信の標準化と普及支援
- 中小企業・地方自治体向けのIT支援・研修の強化
- 政府機関・病院など“公的分野の模範的デジタル化”の推進



コメント